2017年3月31日金曜日

ソーシャルビジネスに携わるわけ

暖かいやら寒いやら。
サクラもまだまだの今日この頃。

皆様、いかがお過ごしですか?
代表の生熊です。

さて、今回は早速本題です。

実はこの2週間、
利用者さんの全員面談を行っていました。

1日約7名。
延べにして35名。

集中力が必要なので、終わるとヘロヘロなのですが、
あまりにも有意義なので全員面談だけは欠かせません。

直接顔見て喋ることで、言葉が少ない人でも充分に伝わってきますし
日ごろ、他の利用者さんが居ると言えなかったことも
「思い切って」発言してもらえます。

さらに、今回ははじめて手話通訳の方にも来ていただいて
大変助かりましたし

自分なりにはやりこなせたかな、と思います。

次回は9月。
それまでに体力つけなくちゃ!!ですね^^;


こうした全員面談は「その人」を知る上でとても重要な意味を持ちますし
何よりも「私」を知ってもらう事が出来る機会となります。

利用者さんの事を何も知らずに
ぱっぱっと機械的に仕事を渡すのも楽でいいかもしれませんが、
私の信念としてそれはしたくありません。

利用者さんは人間ですし
私一人で仕事をしているわけではないからです。

組織で上手く仕事を回したかったら、まずはその組織を構成するメンバーを知り
仕事をする上での屈託の無いコミュニケーションが取れることが必要だと思っています。

意見の違う人たちや価値観の違う人たちが一つの目標を達成しようとする時に
「何でも言える雰囲気」があるだけで仕事はスムーズに行きます。

もちろん、それは理想であってそんなに簡単な事じゃない、というのは重々分かった上で
それでも尚その理想を目指さなければ何も変わらないと思うのです。


特に福祉分野は「理想」を捨てては目的を見失うと思っています。


時に福祉の現場は陰惨です。

どうしてこんな事になってしまったのか?と
自分の目や耳を疑いたくなる現実と向き合わなくてはならない時があります。

時に福祉の現場は虚無です。

上手く行っていたものが、一つのきっかけで元の木阿弥になりますし
制度や法律の壁に阻まれて全てが無になることもあります。

差別や虐待を聞かない日もないですし、
徹底的な排除をされたかと思うと、都合のいいように扱われる時もあります。


そんな事はない!!と言いたいところですが、
残念ながらまだまだ福祉の現場は色んなものが渦巻いています。


その現実をわかりながら、
それでも「差別解消」や「虐待防止」という「理想」は
言い続けて目指さなければならないのです。

差別解消や虐待防止なんて今さら?
あたりまえやん??と思うかもしれませんが、、、

いえいえ、福祉分野では

最近わざわざ制定された「考え方」です。

それだけあまりにも「差別」や「虐待」が当たり前にあったのかと思うと
この国の福祉ってどうなってるんだ?と思いませんか。


もともと私がこの福祉の世界に足を踏み入れたのも
「この国の福祉はどうなっているんだ?」
という怒りや悲しみに満ちた気持ちからでした。


福祉の分野には「人権」という考えがほとんど浸透していなかったのです。


これは知った時、本当にショックでしたね。

嘘でしょ?!と言いたくなりますよね。
でも未だに「障がい者の人権」なーんて言葉がまかり通るのですから

「障がい者の人権」っておかしくないですか?
障がい者の前に人間なんですけど??っていう・・・


こういう感覚の人が私の他にも大勢居て欲しいと思うのですが
これも「理想」ですかねえ。。

まあ、いずれにせよ

この「人権なんてあたりまえやん」という感覚を

「あたりまえだから考えない」のではなくって

「あなたは人権についてどう思うか?」というのを
突き詰めていかなければ問題意識ってされないんだなぁと思っています。


JiRiTsは障がい者の就労継続支援A型事業所です。

福祉施設でもありますが、
同時にいわゆるソーシャルビジネスと呼ばれる事業体の一環としても機能しています。

ではソーシャルビジネスは「人権」をどのように取り扱っているのでしょうか。

実は、ここに大いなるチャンスがあるのではないか、と私は勝手に期待しています。

「仕事」の前には「障がい者」も「年齢」も「性別」も関係がないからです。

「仕事」は誰の前にあっても「仕事」です。

「障がい者」であることで「仕事」が「仕事」でなくなったりはしません。
「女性」であることで「仕事」が「仕事」でなくなったりはしません。

「仕事」とはとても平等に出来ているといつも私は感じています。

だからこそ、クオリティを求められて当然だしミスが出たら怒られたりもします。

何故ってそれは「平等だから」です。

これは全ての人が同じ分だけ同じ仕事が出来るという平等ではなく、
「仕事」という意味合いが誰の前でも変わらないという平等です。


それは「人権」という考えを抜きにしては
ソーシャルビジネスは成り立たないという意味でもあると思います。


ソーシャルビジネスの定義は以下の3つだとされています。

・解決が求められる社会的課題に取り組むこと
・ビジネスとして、継続的に事業活動を進めていくこと
・新しい仕組みを開発・活用し、新しい社会的価値を創出すること
https://www.borderless-japan.com/members/social_business/15614/


先に書いたように
福祉分野は社会的な課題が山積されています。

私はその一つが「人権」という視点の欠如だと思っており
この課題を解決する方法として「仕事の平等」を大切にしながら事業を続けています。


これが私のソーシャルビジネスに携わる理由なのです。




まあ、小難しいことはさておき、、

全員面談を終えて改めて考えたことだったので
ちょこっと忘れないうちに書き留めておきました。

色んな意見がある「課題」だと思うので正解はないのですが
誰しもの意見が尊重され「生存」できる世の中になればいいなぁと

いつも思っています。

それでは、またです!!


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