2019年6月3日月曜日

福祉業は虚しい商売

こんにちは。
代表の生熊です。

社会福祉業というのは何とも虚しい商売です。
最近、頓にそう思います。

別に評価や称賛や感謝が欲しくてやっている訳ではありませんが、
長く関わっているといままでの支援の全てを無に返すような事態が多くて、辟易します。

福祉業を続けていると、当然色んな人に出会います。
障がいも様々、障がい者さんを取り巻く環境や生育歴も様々、趣味も顔も全く違う人達に支援というお付き合いする中で、
ありとあらゆる経験値がどんどん増えていきます。
その中で人は簡単にカテゴライズできるものではありませんが、、
経験値が増えると似通ったパターンの展開や結末によく遭遇します。

最近よく感じるのは、最初の印象は最後で「やっぱり」に繋がる、という事です。
面接の時や全員面談の時に、感じた違和感のようなものは、遅かれ早かれ「やっぱり」な展開が待っています。
これは理屈ではなく、第一印象やインスピレーションは非言語から自然に読み取っているものなので、
よっぽど勘が鈍っていなければだいたい間違っていません。
とはいえ、それをその人の全てとしてしまうのは危険です。
話を聴いて信じるところから支援は始まります。

しかし、、話は冒頭に戻ります。

以前に「共に働いている」というのを伝えるのは本当に難しいという話をしましたが、
直接支援でしか支援を感じられない人は思ったよりも多いという事です。

特にA型事業所は仕事をしてもらうのが支援です。
仕事を出来るようにする場所ではない、というのを伝えるのが本当に難しい!!

仕事が出来る、というのは「スキルがある」という事ではありません。
業務に付随する様々な雑務を請け負う必要がありますし、
苦手な人と同じ職場に居る事が出来るぐらいの柔軟性を持ち合わせなくてはいけないでしょう。
孤立する可能性もありますし、合わせすぎてヘトヘトになる可能性もあります。
ストレスに対する耐性も必要です。
規則正しい生活をしようとしていますか?
遅刻したり、途中で気分が悪くなったりしたら、何かのきっかけで休んでしまったとしたら、、何とか連絡しようとしていますか?
これらの仕事が出来る状態でA型事業所には就職すべきです。

前の記事にも「A型事業所と一般企業は同じ」と書きました。
それは上記の仕事が出来る状態であることとイコールです。
その見込みが我々も含めた事業所も利用者さん本人も甘いと言わざる得ません。
一般就労したいです、と言ったその次の日に遅刻をしているようでは「仕事が出来る」とはいいにくいですよね。

先に書きましたが、A型事業所は生活支援や相談支援のような直接支援ではありません。
仕事をしてもらうという関節的な支援です。
福祉局はA型の仕事を訓練と位置づけているようですが、仕事は訓練ではありません。
未熟を含めた訓練に誰がお金を払うのでしょうか?
失敗作にも「いいですよ」とニコニコお金を払うそんな余裕がある企業は存在するでしょうか?

「仕事を訓練と言ってしまう」それそこ障がい者を差別する意識があると個人的には思います。
福祉局ですらこれですから、事業所を含め利用者さん本人も意識がなかなか変わらないのは無理もないと思います。
一般企業の仕事を「訓練」とは言いませんよね?A型の仕事もそれと同じなのです。
では仕事をしてもらう中での支援とは何か?というのは、とても難しいですが、

自活
自律
成長

だと私は思います。
目に見えないこれらがA型が提供する「支援」です。
仕事をする中で他との適切な関わり方を身に着け、経済活動に加わり、社会の一員としてやりたい事や好きな事が出来るようになる。
私達はここを支援しています。
そして同じ社会の一員として共に働いています。

ただ、これは先に書きましたが直接支援ではないため、支援を受けているとは感じにくいのが現状です。
ザルで水をすくうように、注いだ労力も時間も中々理解してもらえず、虚しい日々が続いてます。

嘆いてもしょうがないので、今日も何も期待しないで支援を続けていきます。
それではまた!

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